佐賀百家図鑑 SAGA VISUAL DICTIONARY

PROFESSIONAL佐賀の農業者

農業という生き方で、人生にきれいな花を咲かせたい。

森眞純 / Masumi Mori 30歳

森花園の2代目として富士町に生まれる。両親が花を生産するビニールハウスが遊び場だった幼少期。中学生になり、両親のつくる花一面の景色に魅了され、将来は家業の花農家を継ぐことを決意。地元の商業高校を卒業後は、愛知県の花農家へ単身研修へ。3年の研修を経て帰郷。自園のブランドを向上させ、これまでの市場へ出荷する生産スタイルから、商談会などで受注を受けてから生産するスタイルへと移行。ロスが少なく、技術の向上にもつながっている。
現在では、シクラメン、ベゴニア(ラブミー、リーガス)、プリムラ(ジュリアン)を年間4万〜5万鉢生産。家族は奥様とふたりの子ども。

花一面の景色に憧れて。

佐賀市富士町の山間部。シクラメン、ベゴニア(ラブミー、リーガス)、プリムラ(ジュリアン)を生産する森さん。クリスマスや母の日など、花の需要が増えるイベントに合わせて生産、出荷を進めます。
森さんが花農家を継ぐことを決意したきっかけは、創業者である父親が咲かせた一面の花景色を見た時だったそうです。その景色に感動し、高校卒業後は愛知県の花農家へ研修に。次第に花農家としての自覚を深めていくのでした。

見えない努力が、花を咲かせる。

森花園がつくる花は、たくさんの花店や消費者から愛され、高い評価を受けています。それは森花園が掲げる「長持ち・ていねい・上品」という花づくりへの確固たる姿勢があるから。それぞれの品種に合わせた土づくりから始まり、そして、何よりも美しい花であるために、見た目の上品さにも徹底的にこだわります。厳しい目による管理と多くの愛情を受けて咲く花たちは、見る人の心を動かします。

時代に合わせた生産スタイル。

年間4万〜5万鉢を全国へ出荷しています。ただやみくもに生産するのではなく、商談会や展示会で目に留めてくれた業者からの受注を受けてから生産するスタイルをとります。そうすることで、ニーズに応じた花づくりを可能にし、愛情を注いだ花たちを無駄にすることがありません。今後は、生産状況をデータ化やモニタリングして、今よりももっとロスのない効率的な花づくりを目指します。

農業は「生き方」だと思う。

農家は、横のつながりが強いと言う森さん。情報を共有し、時には親身になって怒ってくれることもあると言います。また、生産者の高齢化は顕著ですが、それは逆に若手農家にとってはチャンスです。もちろん、きついことも多い農業ですが、人生を変えられるだけのやりがいや喜びを得られるのも農業の醍醐味。喜びも苦しみも知る森さんだからこそつくることができる花が、そこには咲き誇っていました。

AGRICULTURAL PRODUCTS佐賀の農産物

No.05
  • 【学名 : シクラメン Cyckamen persicum】
  • 目 : サクラソウ目
  • 科 : サクラソウ科
  • 属 : シクラメン属
  • 原産 : 地中海地方

EDITING POSTSCRIPT編集後記

佐賀百家図鑑第五回目は、富士町の森眞純さんを取材させていただきました。
最盛期にはハウス一面美しく彩る花園の生産現場。特に、クリスマスの定番となりつつあるシクラメンが一面に咲き誇る光景は圧巻でした。そんな光景に魅了され家業を継いだ森さんの目は、真っ直ぐに目標を見つめ、キラキラとしていたのが印象的です。取引先と密に関わる関係性だからこその、森さんが実践する現場からの一貫したブランディングは、農業以外の分野でも通ずる部分があるのではないでしょうか。例え生産者減少に伴い供給量が低下していき、海外競合が増える世の中であろうと、自身のポジショニング、商品の付加価値と戦略次第で、ビジネスとしての活路を見出していけることを森さんは体現しています。小さな町の山間部で、深く根を張り大きく成長する森さんの意思は、きっと次世代にしっかりと継承されていくことでしょう。

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